ブロッキングと通信の秘密との関係

2.電気通信における通信の秘密との関係
1)通信の秘密の侵害

「通信の秘密」とは、通信の内容や宛先を第三者に知られたり、漏洩されたりしない権利のことをいいます。憲法第21条2項は、「検閲は、これをしてはならない。通信の秘密はこれを侵してはならない」として、通信の秘密を保護しています。

これを受けて、電気通信事業法も「電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない。」と規定されています(同法第4条1)。
この通信の秘密を侵害する(侵す)行為には、以下の3つがあります。

  • ① 知得:積極的に通信の秘密を知る行為
  • ② 窃用:通信当事者の意思に反して利用する行為
  • ③ 漏洩:他人が知り得る状態に置く行為

通信の秘密の保護の対象には、通信内容のほか、個別の通信に係る通信の日時、場所、通信当事者の氏名、住所・居所、電話番号などの当事者の識別符号、通信回数等これらの事項を知られることによって通信の意味内容を推知されるような事項すべてが含まれます。ウェブサイトの閲覧でいえば、閲覧のためのアクセス情報(アクセスに係るIPアドレス、タイムスタンプ、URL等)は、通信の秘密の保護対象に含まれます。

通信の秘密
国民の権利
ISP等は通信の秘密を守る義務がある

ISP等は他人の秘密を容易に知り得る立場にあることから厳格に義務付けられている。

知得、窃用、漏洩
通信の秘密の侵害
ただし、利用者の同意があった場合、業務上の必要、法令に基づく対応などは、侵害とならないときがある。

ブロッキングは、アクセスの途中、つまり電気通信事業者の取扱中に係る通信について、ISPにおいて、ユーザーがアクセスしようとするサイトのホスト名、IPアドレス、URLを検知して遮断する行為です。その検知・遮断行為は、次のことから、通信の秘密の侵害にあたります。

  • ① 知得:通信の秘密の保護の対象である情報を知る行為
  • ② 窃用:通信事業者の意思に反して、利用する行為

通信の秘密の侵害は、電気通信事業法の罰則の対象となります(※1)

※1:第179条

  • 1.電気通信事業者の取扱中に係る通信(中略)の秘密を侵した者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
  • 2.電気通信事業に従事する者が前項の行為をしたときは、3年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する。

通信の秘密を侵害にあたるブロッキングですが、適法に実施できるための整理について、次ページに記します。

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このリンク先は YouTube の映像です。この映像は、当作業部会において、ブロッキングに関する国民理解の醸成を目的として製作したものです。